マンション管理組合が知るべき防水工事の判断基準!劣化サインとタイミング
マンションは日々、自然環境や時間の経過によって劣化が生じています。
特に、雨風や紫外線に直接晒される屋上、バルコニー、外壁などの防水層は、経年劣化が避けられない部分です。
これらの防水性能の低下は、単なる美観の問題に留まらず、建物の構造躯体にまで影響を及ぼし、将来的な大規模修繕へと繋がるリスクがあります。
管理組合として、居住者の安全と快適性を守り、資産価値を維持していくためには、防水工事の必要性を早期に、かつ的確に判断する基準を持つことが不可欠です。
マンションの防水工事!劣化サインのチェックポイント
屋上や共用廊下のひび割れ・剥がれ
屋上や共用廊下は、歩行や積雪、雨水などが直接かかるため、防水層への負荷が大きい部位です。
防水シートや塗膜に発生するひび割れは、初期段階では小さな亀裂であっても、そこから水が浸入し、下地コンクリートの劣化を誘発する可能性があります。
さらに、防水材の浮きや剥がれは、防水層の密着性が損なわれているサインであり、大規模な水の浸入経路となるため、早期の点検と補修が求められます。
これらのサインを見逃すと、漏水が躯体内部にまで進行し、鉄筋の腐食やコンクリートの爆裂といった、より深刻な構造的ダメージに繋がる恐れがあります。
バルコニーの水たまりやタイルの浮き
各住戸に付随するバルコニーも、雨水や洗濯水などが滞留しやすく、防水層の劣化が進みやすい箇所です。
防水層の上に敷設されたタイルが浮いている、あるいは剥がれている状態は、防水層自体の劣化や、下地の不陸、あるいは防水層とタイルの間の水分が原因であることが考えられます。
特に、タイルが破損・浮いている箇所に水が溜まりやすい状態が続くと、防水層への継続的な水圧や凍結融解によるダメージが蓄積され、下層階への漏水リスクを高めます。
目地のコーキング材の劣化や、排水口の詰まりなども、水たまり発生の主要因となるため、併せて確認が必要です。
外壁コーキングの劣化・シーリング材剥離
マンションの外壁、特にサッシ周りや、建材間の打継ぎ部分に充填されているコーキング材(シーリング材)は、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
このコーキング材が、紫外線や熱、経年変化によって硬化し、ひび割れを起こしたり、本来の接着力を失って厚み方向に剥離したりする現象は、防水性能の低下を明確に示しています。
コーキング材の劣化箇所から浸入した雨水は、外壁材の裏側や断熱材、さらには構造躯体へと到達し、建材の腐食や断熱性能の低下、カビの発生などを引き起こす原因となります。
外壁の美観を損ねるだけでなく、建物内部の環境悪化にも直結するため、定期的な点検と打ち替えが不可欠です。

防水工事の緊急度劣化サインからの判断
構造的なひび割れは最優先対応
防水層や構造躯体に、幅広く、あるいは貫通しているような構造的なひび割れが確認され、そこから実際に漏水が確認できる場合は、極めて緊急度の高い状態です。
このような状況は、建物の防水性能が著しく低下していることを示しており、放置すれば構造躯体の劣化を急速に進行させ、建物の安全性そのものを脅かす可能性があります。
雨水が構造内部に継続的に浸入することで、鉄筋の腐食が加速し、コンクリートの剥落や強度の低下を招くため、迅速な応急処置と、その後の本格的な防水工事の計画が最優先で実施されるべきです。
部分劣化でも放置は広範囲に影響する
たとえ初期段階の局所的なひび割れや、タイルの浮き、コーキングの軽微な亀裂であっても、それを放置することは推奨されません。
初期の小さな劣化箇所から浸入した雨水が、防水層の下地や躯体内部を伝い、予期せぬ広範囲にわたる浸食や腐食を引き起こすことがあるからです。
例えば、バルコニーの一部分の劣化が、実際には共用廊下や隣接する住戸の天井裏、さらには躯体内部まで影響を及ぼしているケースも少なくありません。
早期発見・早期対応が、将来的な大規模修繕費用を抑制し、建物を健全に保つための鍵となります。
緊急度の判定には専門家の診断が不可欠
表面的な劣化サインから、その真の緊急度や影響範囲を正確に判断することは、専門知識を持たない管理組合員だけでは困難が伴います。
ひび割れの幅や深さ、構造躯体への影響度、漏水の経路や原因特定、さらには将来的なリスク評価など、専門的な見地からの診断が不可欠です。
建築士や防水工事業者などの専門家による定期的な建物診断や、劣化箇所に特化した詳細な調査を実施することで、客観的かつ正確な緊急度判定が可能となり、適切な修繕計画の策定に繋がります。

防水工事の適切なタイミングを見極める指標
建物の状態と築年数から周期設定
マンションの防水工事の計画を立てる上で、まず参考となるのが建物の築年数と、一般的に推奨される防水層の耐用年数です。
アスファルト防水やシート防水、塗膜防水など、工法によって耐用年数は異なりますが、概ね10年~20年程度を目安として、定期的な点検やメンテナンスの必要性が指摘されています。
築年数が経過し、防水層の耐用年数に近づいている建物では、定期的な詳細点検の頻度を上げ、劣化の兆候が見られないか注意深く観察することが重要です。
築年数だけでなく、建物の構造や使用されている防水材の種類も考慮し、長期的な修繕計画の初期段階から防水工事の周期を検討しておくべきでしょう。
前回の修繕からの経過年数
防水工事のタイミングを判断する上で、前回修繕工事を実施してから経過した年数は重要な指標の一つとなります。
一般的には、防水層のメンテナンス周期として10年前後、大規模な改修となると15年~20年程度が目安とされますが、これはあくまで平均的な値です。
重要なのは、経過年数だけでなく、現在の劣化進行度を正確に把握することであり、定期点検で確認されたひび割れ、剥がれ、浮き、水たまりなどの発生状況や進行度合いを基に、次回の工事時期を判断する必要があります。
前回の修繕が部分的な補修であった場合、その箇所だけでなく、他の未補修部分の劣化状況も踏まえて総合的に判断することが求められます。
環境要因も考慮
防水工事の計画においては、建物の年数や前回の修繕履歴といった内部要因に加え、立地条件や気候といった外部環境要因も考慮に入れることが不可欠です。
特に、強烈な日差しに常に晒される屋上や、積雪量の多い地域、あるいは塩害地域など、厳しい自然環境下に立地するマンションでは、防水層への負荷が大きくなるため、一般的な耐用年数よりも早期の劣化が進む可能性があります。
年間を通しての降水量や、台風などの気象条件も防水層の耐久性に影響を与えるため、これらの環境要因を考慮し、計画的なメンテナンスや、より耐久性の高い工法の採用を検討することで、長期的な建物の健全性を維持できます。

マンションの管理組合の防水工事の基準の定め方
定期建物診断で劣化状況を把握
マンション管理組合が防水工事の必要性を判断するための基礎となるのは、定期的に実施される建物診断の結果です。
専門家(建築士など)による詳細な建物診断では、屋上、バルコニー、外壁など、防水層が存在する全ての箇所について、ひび割れ、剥がれ、浮き、水たまり、コーキングの劣化といった具体的な劣化状況が詳細に調査・記録されます。
この診断結果は、建物の現状を客観的に把握し、劣化の進行度や潜在的なリスクを可視化するための最も信頼できる情報源となります。
診断報告書を基に、劣化箇所とその深刻度、修繕の優先順位などを明確にすることで、管理組合員間での共通認識を形成し、次のステップへと進むための土台が築かれます。
修繕積立金の状況と工事計画の照合
防水工事は、その規模や工法によって数百万から数千万円、あるいはそれ以上の費用を要する場合があります。
したがって、工事計画を具体的に進めるためには、マンションの修繕積立金の現在の残高や、将来的な積立予定額、そして長期修繕計画における他の大規模修繕工事との優先順位や時期などを照合し、財政的な実現可能性を慎重に検討する必要があります。
修繕積立金が不足している場合や、他の緊急度の高い工事が控えている場合は、段階的な工事の実施、金融機関からの借り入れ、あるいは積立金の引き上げといった、財源確保に向けた検討も並行して行う必要があります。
計画の実行可能性を早期に評価することで、無理のない、持続可能なマンション管理運営に繋がります。
まとめ
マンションの防水工事は、建物の安全性と資産価値を長期にわたって維持するために極めて重要であり、その必要性を判断するための基準を明確に設けることが、管理組合の責務と言えます。
屋上やバルコニー、外壁に見られるひび割れ、剥がれ、水たまり、コーキングの劣化といったサインを初期段階で捉え、専門家による診断を通じてその緊急度を正確に評価することが肝要です。
築年数や前回の修繕履歴、さらには日照や降水量といった環境要因も考慮に入れ、定期的な建物診断、複数業者からの見積もり比較検討、修繕積立金の状況照合といったプロセスを経て、工事の適切なタイミングと計画を定めることが、将来的なリスクを低減し、居住者にとって安心・安全な住環境を守ることに繋がります。
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